それは、ローターとステーターの
特殊構造※にあります。
※この構造は、フランスのモアノ(René
Moineau)博士が
航空機のスーパーチャージャーを開発中に発明した「一軸偏心ねじポンプ」と同じです。
モーノポンプの主要部品であるローター(真円の断面形状を持つ1条雄ねじ)をステーター(長円の断面形状を持つ2条雌ねじ)に挿入すると、その隙間に「キャビティー」という一連の閉じた空間ができます(図1)。この一連のキャビティーを三次元的に表現したものが図2です。このようにキャビティーは独特のねじれた形状をしたそれぞれが独立した閉じた空間を形成します。
ローターを回転させると、吸い込み口となるステーター端部には次々と新しいキャビティーが形成されます。その際、端部には強い吸引力が発生するので粘度の高い液体や固形物を含んだ液も新しいキャビティー内に吸い込むことができます。そうして作られたキャビティーは長手方向(ポンプの吐出方向)へ進行し、ステーターの吐出口から液が出ていきます(図3)。こうして「吸い込み」「閉じ込め」「吐き出し」の工程を連続的に行うことになります。
キャビティーの断面積は、ステーター断面の長円部面積からローターの断面積を差し引いたものとなるため、どの断面でも常に一定です(図4)。この構造によりモーノポンプの特長である連続・定量的な移送が可能となります。
上図に示した特殊構造により、モーノポンプは
以下のような基本性能を実現しています。